日記

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君たちはどう生きるか

リン魂の頃の有吉を観て「根底に太々しさがある」と評したのはナンシー関だった。その後の有吉を観ればそれは大正解であり卓見であったわけだけど、今日の紅白の有吉は初々しかった。24時間TVでのダウンタウンとは違った。当たり前だが。

その時の年齢もあるだろうが、それ以上に何か思うところがあるのだろうなと感じさせる位の違いだった。

 

思えば昨年の紅白は少なからずそれまでの太々しさがあった様に思う。(もちろん感慨はあったけだろうけれども。)今年は完全に地に足がついていた上で緊張して司会を務めていた。司会もそして自身の出番も2年連続の出演で同じ曲なのに初々しかった。

 

他人の事が分かるわけはないが、宮崎駿高畑勲に決着をつけるべく映画に登場させてある程度吹っ切った様に、有吉は上島亡き後どう生きるか、ある意味吹っ切ったのだと思う。(立ち直ったとか忘れたとかではない。)昨年よりも今年の方が上島を意識している様に思えた。それが初々しさに見えたのだろう。ウッチャンナンチャンが出てたからということだけではないと思う。

 

有吉、オール阪神・巨人10-feetyoshikiと今年はテーマが追悼なのかと思う位の紅白だったが面白かった。通しで見たのは久しぶりだ。

hey ho,let's go

昨晩NHKでミッシェルのゲスト回のTRを再放送していた。イメージよりもシャイなチバと、イメージ以上に話すアベが印象的な良い番組だった。もちろんウエノもキュウも持ち味が出てた。ミッシェル自体が明るかったし、何より優しかった。

liveではリボルバー・ジャンキーズを演っていて、名演揃いのこの曲だが持っていかれた。今更ながら。

僕は特にこの動画のリボルバー・ジャンキーズが好きなんだが、この冒頭にNo Woman, No Cryを挟むのがカッコいい。

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クラッシュも挟んでた動画もあった。それはジェニーだけど。最近ride on timeをステージで歌ってたとかいう書き込みも見たな。聴いてみたかった。DJもするしレコードマップの冒頭インタビューも飾る熱心なコレクター、リスナーでもあったチバらしい話だ。

昔の話だけど、チバはDJの時に自分の曲をかけないからパーティで一緒になってもciscoとかかけちゃうと小西康陽が言っていたような気がする。チバのDJも聴いてみたかった。

この動画を見ても思うがミッシェルは特に客にマイクを向けるチバの顔は優しい。楽しそうなのはもちろん、優しい。小峠はミッシェルには真面目さが見えると言っていた。僕には優しさに見えたそれが、小峠には真面目に見えたのだろうな。

僕は小峠にも似た優しさを感じる。小峠も「不夜城はなぜ回る」のロケで入ったレゲエbarでNo Woman, No Cryをリクエストして楽しそうに歌っていた。熱唱と言って良いほどに。

ライダース好きで(しかも似合う)、酒が好きで、音楽が好きでってことで連想してしまうし、何より僕は小峠も好きなのだ。

今週末はチバと小峠を参考にライダース着よう。

サンタクロースが死んだ朝にダダリオ・カマロがくれた

久々に日記を再開しようと思っていたところの訃報。そういうのどうなんだろうと思う時が多いし、今もそう思うところがあるけれどもキーボードを打っている。久々過ぎてmacのバッテリーが0%だった。

 

チバは詩人だった。かなり特徴的だったし頭抜けていたと思う。詩集もあったはずだ。本当に「詩」だったから、抽象的で意味が分かった事などないけれども、とにかく印象に残る最高に音に乗った詩だった。

 

さっき一番好きなROSSO/シャロンを聴いた。Ciscoもダニー・ゴーも良いけれどシャロンを聴いた。analogで。そこそこ再生機器を揃えて良かったと思えるくらいにチバが側で歌っている気がした。それにしてもなんて歌詞だろう。今日ほど響いたことはない。少なくとも誰かが亡くなってそのことを知人にLINEする事などなかった。

 

思ったことをポツポツ書いているうちにバッテリーは33%まで溜まった。

日記をつけるのをやめたのは思った通りに書く事に対して抵抗があったから。今書いているのは思うところや抵抗があっても、今なら思った通りにかけると思ったから。

 

今日からまた再開する。ダダリオ・カマロが機会をくれたと思って。

ありがとうチバ。安らかに。

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制服のサイレントマジョリティーとマネキン

秋元康の詞をTVで特集していた。

色々な指摘があったけども「歌詞カード無しで初めて聴いても理解できる」譜割り。

わざわざ検索しなくても普通に生活していれば聴こえてくるポップさ。

詞だけの話じゃないけれど個人的にはこれが突出していると思う。

 

これなんか、サビのハマり(譜割り)が凄いもんな。これは快心だったんじゃないのかな。

 

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もうひとつ。

これもサビの譜割りが快心だったんじゃないかと思う。挑発している感じも似ているし、面白い。若い子の評価は知らないけれど、多くの若い子に届くのであれば凄いことだ。

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Drive my car

Drive my carを観るため少々遠い劇場までドライブ・マイ・カーしてきた。

監督からして長いのは想像ついたし気持ち良くなると眠くなるので今回も寝るかなあと思ったりもしたが寝なかった。ちゃんと長時間引っ張れるものを持っている映画だった。しかし短編そのものでは足りないのだろうけど、180分まで盛っていくのもすごい。偶然と想像みたいなものだって出来るのに。

登場人物の内面にフォーカスし、そこから溢れるものを救い上げるっていうことを中心に劇中劇もこの映画そのものも展開していく...とか何とか言いつつ原作は未読のため違いやどの程度盛ったのか知らないし、ドライブしたミーのカーは赤でもSaabでもないけれど、赤いSaabとタイトルを見てとりあえず思い浮かんだのは、ゆらゆら帝国/ミーのカー。そしてもう一つメゾン・ド・ヒミコ女癖の悪い西島秀俊を思い出した。車をバックに真白い衣装のオダギリジョーと対比させるような今作のような真っ黒い衣装だったな。

あと「声」。

手話の女性が出てくること、本読みで抑揚を抑えさせていること、内面から溢れる何かが声であるという設定等から何かあるのだろうけど、なぜ声なのかは分からない。きっと重要なのだろうけど。もう一度観たらわかるのか。

 

炭坑節

坂本九/炭坑節である。

Capitol版だからtankobushiか。カップリングはsukiyakiである...ていうかこっちがA面なんだろうけど。Capitol版って何種類かあると思うけど時系列が分からない。それともそれぞれ微妙に違うものなのだろうか。

 

これアレンジが誰なのか知らないけれど(やっぱり中村八大なのか?)見事なlatinでクラブでも盆踊りでも対応するだろう。聴けば心が晴れるし癒される、踊れば効能はさらに倍という具合にlatinの効能が充分にあります。もちろんsukiyakiの素晴らしさは言うまでもない。

おかげで気分も良いし歌詞に倣って上を向いて歩きながら月でも見ようかと思ったが、外はクソ寒いのでやめた次第。

 

そういえば冬の日だけ歌詞にはない。先日の南佳孝と同じく季節外れだ...って、タイトル炭坑節なのに。「♪あんまぁり〜sukiyakiがぁ強い〜のでぇ〜 さぞやtankobushi けむたかろぉ〜 サノヨイヨイ♪」

 

でもリンクは炭坑節。冗談抜きに素晴らしい。

www.youtube.com

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The French Dispatch of the Liberty, Kansas Evening Sun

ウェス・アンダーソンの新作だ。

一時期はPTAと並び2大アンダーソンとか呼ばれたり、自らがファンであるポーリン・ケイルに自作を観て欲しくて半ば掻っ攫うような形で彼女一人のために試写会を企画したり(悪い意味ではなく、確か病床だったためそれしか無かったからという理由だった筈だ)、作品のこだわり、思い入れからくる行動力等、タランティーノっぽいとも思うし、よりイってる印象がある。

まあポーリン・ケイルの件はうろ覚えだけど。

全く印象が変わらないビル・マーレーエイドリアン・ブロディ、若干変化を感じるオーウェン・ウィルソンといった不動のメンツ、三上博史に見えてきたマチュー・アルマニックいつ火をつけるのかヒヤヒヤするフランシス・マクドーマンド(こちらは高畑淳子に見えてきた)といった不動ではないけどゆかりのあるメンバーが主要を占めるキャスト。

あの美術(新房昭之物語シリーズの背景美術ってなんかウェス・アンダーソンっぽいなあと今日新作を見ながら思った。)も変わらず。全体的にウェス・アンダーソン印の安定感が半端ない。

 

最初にポーリン・ケイルの話をしたのはニューヨーカーをモデルにしてるからなのだが、それらしき人物はいなかった(と思う。)編集部と記者に主眼を置いたストーリーだから出さなかったのだろうけど、冒頭の話を思い出したりもした。

 

安定感は半端ないからウェス・アンダーソン好きな人は安心して楽しめるし、今作は劇中で寝てしまっても全て置いてけぼりにはされず何とかなるかもしれない親切設計。

明かりが消えて映画が始まったら楽しんでください。